会社が育ててやっただろ?というのは的外れであるという考え方

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フリーランスエンジニアの @nabeemichi です。

タイトルのことを転職活動している友達に話したらウケがよかったので、文章にしてみることにしました。

転職のために退職交渉を行う際に、「会社が育ててやったんだぞ!」ということを言われることがあるらしいですが、 僕にはこのロジックが理解できません。

どんなに良いとされる環境にいようが、自分で成長することを選択し、行動を起こした人しか成長はしないのです。 そのため、会社が人を育ててやったなんてことは的外れというわけです。

どんなにすごい人が教えようが育たない

簡単な例として、大学受験を考えることにします。 大学受験における成長を、偏差値アップすることと定義します。 大学受験において、偏差値が上がれば上がるほど、合格する大学の数が多くなり、大学受験終了後に多くの選択肢を手にすることができるため選択肢を広げられるという点で成長と捉えます。

偏差値を上げるための手段としては、勉強をすることになるのですが、 この勉強の方法にも何種類かありますが、偏差値を上げるためには最も偏差値の高い東京大学への合格者数が多い予備校の有名な先生の授業にでることにします。

この場合、「会社が育ててやったんだぞ」というのは「予備校が育ててやったんだぞ!」と変換して考えることと同値です。 「予備校が育ててやったんだぞ!」ということが正しいとする場合、 有名な先生が教えてくれていることもあり、予備校へ通い、授業を受けていれば東大へ合格するほどの偏差値になる! ということになります。

しかし、現実は違います。どんなに有名校出身であろうが、有名な先生に教えてもらおうが、全員が合格することはありません。 合格する人は、自分で勉強することを選択し、授業を受けて己の問題点に気づき、それを埋める勉強をした人です。

つまり、予備校がなにかしたのではなく、予備校という環境を利用して問題点や課題を洗い出して、解決する作業を自分で行ったため偏差値が上がり選択肢を増やすことができた。というわけです。

自分で成長したということです。

これを会社に当てはめてみましょう。

社会人としての成長を、仕事ができるようになり給料が高くなるとします。

新人で入社した場合、先輩社員がメンターとなってOJTなどを行い、新人教育するとしましょう。 僕も新卒で入社した会社ではメンターがつきましたし、その後メンターもしましたので実際に存在する教育方法なのではないでしょうか。

もし、「会社が育ててやったんだぞ」ということが正しいとすると、仕事のできる先輩社員がメンターとして仕事を教えてくれるので、 仕事ができるようになり、評価もされて給料が上がるはずです。

しかし、現実は違います。仕事ができるようになって給料が上がる人もいれば、そうでない人もいます。 どんなに仕事ができるメンターが付こうが、本人が成長することを選択しなければ成長しないわけです。

仕事ができて給料が上がる人は、仕事ができる先輩社員を見て自分の課題を把握して、課題を解決する作業を自分で行ったため給料が上がったのです。

ロールモデルを見て、自分で成長したということです。

以上のことから、「会社が育ててやったんだぞ」ということは正しくないということが導き出されたのです。

そもそもなのですが、

人が人を成長させることはできない

はずなのです。 きっかけや気付きの元になるとはできます。プロ野球選手などを見て憧れて目指すきっかけを与えるのは人です。 これと同じで、社会人でも同じ原理は働くでしょう。

しかし、育ててやることはできない。 そもそも、育っているのか退化しているのかを決めるのも人ですから、正解がどの方向なのかを決めるのも人次第。 だから育ててると思ってるのは、他の人から見たら育ってない!なのかもしれない。

会社はきっかけと環境しかあたえられない

自ら成長することを選択したときに、成長を加速させるためのツールや気づきをもらえるような人がいたりすること。 これしかないんじゃないのかな。 だって、人は自分で成長を選択して、自分で行動をしないと成長しないですからね。

会社が育ててやっただろ!ってのは的外れ!